大阪高等裁判所 昭和57年(ム)18号 判決
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【判旨】
一再審請求については、当事者が判決確定後再審の事由を知つた日から三〇日以内にこれを提起すべきものとされているところ(民訴法第四二四条第一項)、右訴えの事由が、判決に影響を及ぼすべき重要な事項につき判断を遺脱したとするものである場合には(同法第四二〇条第一項第九号)、仮に右の事実があるとしても、右当事者が右判決の正本を受けとつたときこの事由を知つたものとみられるから、右三〇日の期間は、判決確定の日から起算されるものと解されるところ、右事件の記録によれば、本件再審原告は、原判決に対し上告し、これが最高裁判所昭和五四年(オ)第一二〇九事件として係属したが、同裁判所において、同五五年三月一八日、上告棄却の判決を言渡したことが明らかであり、これにより右事件は確定しているので、再審原告が昭和五七年六月一四日に提起した本件再審の訴えは、この点において、同法第四二四条第一項の不変期間(同第二項)を遵守しない違法があるというべきである。
なお、右事件記録によれば、再審原告が同事件控訴審において主張したところは、臼歯の冠の固定方法につき、歯科医である再審被告に相談のところ、その必要もなく再審原告の同意もないのに、臼歯の根管を拡大し、その上部を削る等し、更に、右冠固定の方法にも過誤があるとしたものであり、これに対し、原判決は、再審原告は、再審被告に対し臼歯に対する冠の固定方法の相談でなく、冠の装着につき診療を、求めたものであり、再審被告は、根管の治療に万全を期したうえ冠を装着した方がよいと判断して、これを再審原告に告げその同意をえて、その治療に至つたもので、右治療についても過誤が認められないと判断しているのであるから、原判決に判断の遺脱のないことも明白である。
(大野千里 林義一 稲垣喬)